観戦後記:バイエルン・ミュンヘン vs マンチェスターUtd:UEFA CL 準決勝2ndレグ
時間が空いてしまったが、こちらも見たので感想など。
先週末に行われたチャンピオンズリーグの準決勝2ndレグ
ホーム:バイエルン vs アウェイ:マンチェスターUtdの感想です。
試合前の状況
1stレグはマンチェスターUtdのホームで行われ1-1のドローでした。
マンチェスターUtdは1点は必ず取らないと負けてしまう追い詰められていて、
もう引いて守る一方の戦い方はできない状況でした。
一方、バイエルンも不安要素がありました。
というのも史上最速で優勝を決めたリーグ戦でしたが、
これの前の試合を落として久しぶりの負けが付いていました。
試合内容
そんななかでのキックオフ。
マンチェスターUtdは不利とわかっていながら引いてショートカウンターを狙う作戦のよう。
対してバイエルンはホームの大声援を背に、
引き分けは頭にない様子でいつもどおりのポゼッションサッカーを展開します。
この試合でマンチェスターUtdはプレミアリーグでも
見せたことがないくらいの集中力を発揮します。
特にバイタルエリアをがっしり固め、
サイドを崩されても中で跳ね返すという堅守速攻を絵に書いたような戦い方を演じます。
サッカーではカウンターは弱者の戦い方といわれますが、
マンチェスターUtdはそのことを強く自覚し、徹底した戦い方をしていました。
そんな中で初めのうちはバイエルンがいつものようにパスをつないでリズムを取っていましたが、
次第にマンチェスターUtdのペースになっていったように思います。
そして57分、その時は来ます。
右サイドのタッチライン際をバレンシアが突破してマイナスクロスを上げ、そこに上がっていたエブラがあわせます。
シュートはゴール上部に突き刺さる強烈なもの。
その直前、香川が相手DFをひきつけた隙を決めました。
しかし、サッカーというのは試合が動き始めるとどちらに転ぶかわかりません。
特に得点後の10分というのは不安定になるもの。
それまでの試合が拮抗していただけに余計に流動性が増します。
バイエルンは失点後、2分で同点に追いつきます。
それまでサイドをえぐられても中を固め跳ね返していたマンチェスターUtdのDF陣のわずかなズレ。
サイドをえぐるリベリからのクロスに中央のマンジュキッチへ通り、ヘッドで同点。
私はこの時点でマンチェスターUtdの勝利の芽がしぼむのを感じました。
更に試合の流動性を高めるため、バイエルンはシステムをいじってきます。
65分にゲッツェを下げてラフィーニャを投入し、ラームが一列前に上げます。
これによりマークに少しズレが生じたため、
右サイドからのクロスにミュラーがあわせて得点します。
マンチェスターUtdは同点にすればアウェイゴール数で勝つため、
まずは同点にするため反撃に出ようとしますが、
前がかりになったところをつめられました。
最終ラインの前のわずかなスペースにロッベンが切れ味するどくドリブルで侵入し、
そのままシュート。
その後は怒涛のマンチェスターUtdの攻撃をバイエルンが凌ぎ切りバイエルンの勝利でした。
この試合では戦術を徹底することの凄みと試合の流れが強く感じられました。
マンチェスターUtdは得点するまで、ホントに徹底した堅守速攻で、
バイエルンに得点を与えませんでした。
しかしその後、拮抗していた試合が動き出すと
その手から零れ落ちる水のごとく、すり抜けていきました。
試合後の感想
2戦とおして自分たちの戦術をやりきれたバイエルンに軍配が上がったのは
当然のことのように思える。いや、勝てたから自分たちのスタイルを保てたのか?
どちらにしろマンチェスターUtdは今期無冠で終わりそうです。
プレミアリーグのほうも来期のCL出場権獲得はかなり難しい。
第34節の途中ですが、4位のエバートンまで勝ち点9もある7位につけています。
5位にはアーセナルもいるし、数字上は可能でもかなり厳しい。
そうなるとステップアップを求めて多くの選手がクラブを後にすることも考えられます。
特にエース、ルーニーの動向が気にある。
はっきり言って、CLもリーグ戦もルーニーが孤軍奮闘していた。
バイエルン戦ではMoMワーストに選ばれていたが、
それでも前線で身体を張って数少ない攻撃の起点となっていた。
香川も今夏の移籍が噂されている。
監督の起用にフィットしていないのは明らか。
ファンペルシーが離脱し、マタが出場できないCLで何とか意地は見せたが、
それもいつまで出場できるかわからない。
個人的には香川にはマンチェスターUtdに残って欲しいと思っている。
しかもそこで確固たる地位を築き、中心選手となることを望んでいる。
彼のセカンドストライカーとしての素質にプラスして、
プレミアのフィジカルでもまれて強くなった姿は日本代表に
大きな財産を残してくれるはずである。